津の街で、結婚式を挙げようかな

私の住んでいる津市は、自然に恵まれた街です。私は、生まれたときからずっとこの街に住んでいます。夏には、きれいな砂浜の続く海岸で、子どもの頃は毎年海水浴をしていました。秋には、高原に出かければ、紅葉やすすきの群生が見事です。桜の名所もあるし、少し足をのばせば、森林浴できそうな森もあります。私の家の近くには、春に枝垂れ梅のきれいな神社があります。先日、母とその神社を散歩している時、結婚式があったのでしょう、きれいな花嫁さんを見かけました。白無垢を着て、うつむき加減に玉砂利の上を歩くその姿は、紅白の枝垂れ梅と相まって、絵に描いたような美しさでした。

私の母もずっと津市に住んでいて、この神社でお父さんと結婚式を挙げたのよ、という話は、小さな頃からよく聞いていました。今住んでいる家は、古くからある父の実家を建て直した家なのです。母は、その花嫁さんの姿に、昔の自分の花嫁姿を重ねて見ていたのでしょうか。懐かしそうな目で見つめていました。

母は、地元の津から離れたことがなく、きっとこの先もずっとこの街に住み続けるのだろうと思います。「せまい街しか知らないで、一生を終えるなんて、私は嫌だ」学生の頃はそんなふうに考えていました。しかし30歳を過ぎて、物事の表面だけでなく、その裏のことにまで思いを至らせることが少し上手になった今、考え方は変わってきました。結婚しても地元に残っている友人もいます。「私も、梅の季節にここで結婚式を挙げようかな」。そう言ったら、母は喜んでくれるでしょうか。

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